A.開く直前、利き手と逆の手で持ち替えるときに、向きが逆転するためです。


確率は1/2などではなく、逆になる人はいつも逆


「文庫本を読もうとバッグから本を取り出して開くと、いつも上下逆なんですよね」

という悩みを抱えているかたがいらっしゃるようです。

複数名から打ち明けられたことがあるので、結構な数の人に起きている現象なのだろうと思います。


「上か下かの二択。ならば確率は1/2なんじゃないの? いつも逆って運が悪いの?」

という声もありました。どうやら逆になるかたはいつも逆にあるようです。

表紙が見えるのであればさすがに開く前にわかるのでしょうが、ブックカバーをしていると開くまでわかりません。

毎回毎回開いたら逆というのは、確かにイラっと来てもおかしくはありませんね。


なお、わたくしにはこの現象は発生しません。その理由については後ほど記述します。


なぜ上下逆になるのか?


いつも逆になるかたにご協力をいただき、検証をおこなったことがあります。

どうもこのような理由のようです。


①右利きのかたは、左手で文庫本を持ちます。ほとんどの人がこのスタイルのはずです。

②読み終わると文庫本を畳んで右手に持ち替え、バッグなどに仕舞います。横向きに仕舞うときは、『左が文庫本の上側、右側が文庫本の下側』になるかたが多いようです。

③次に本を読みたいとき、文庫本をバッグから取り出す行為が当然あるわけですが、多くの方は右手で文庫本の短辺をつかんで取り出すようです。すると、取り出した時点では『右手の指先側が文庫本の上側、手首側が文庫本の下側』です。


④そして本を開く前に、多くの人は開く前に左手に持ち替えるという行為を挟みます。このときに自然に受け渡しをすると文庫本の向きが逆転し、『左手の指先側が文庫本の下側、手首側が文庫本の上側』となってしまいます


⑤そのまま開くと「あら、逆だ」となります。


予防するには「文庫本の長辺を持つ」か「開いてから持ち替える」


以上のとおり、直接の原因は文庫本を取り出して開く直前の「右手→左手の受け渡し」にあることがわかりました。

この持ち替えをやってしまうのは、前述のとおり、読むときに左手で文庫本を持つ方が多いためですが、その習慣を変えるのはなかなか難しいものがあります。


ではどうするか。

解決策は二つあるようです。


まず一つ目は、バッグから取り出すときに、文庫本の長辺を持つようにすることです。

そうすれば、右手から左手に持ち替える際に逆転が起きづらいようです。


二つ目は、右手にもったまま(③のまま)先に文庫本を開き、開いた状態で左手に持ち替えることです。

この場合は開いた時点で向きが見えていますので、当然のことながら持ち替えるときに逆転が起こらず、何の問題も起きません。

前々項で、わたくしの場合は上下逆になる問題が発生しないと申しましたが、このやり方を無意識にやる癖がついていたようです。


いつもイラっとされているかたは、ぜひお試しください。